糖鎖とは

糖鎖って何?

糖鎖は、単糖がグリコシド結合で結合した鎖状の構造をしています。よく知られる単糖類であるグルコース、フルクトース、ガラクトースは、糖類および炭水化物の構成要素であり、ほとんどの生物の主要な栄養素です。

しかし、単糖は他にも多くの種類が自然界に存在し、それらが連なることで非常に長い直鎖状のものから複雑な分岐状のものまで、多様な構造を形成します。

糖の分子構造:グルコース、スクロース、デンプン、N-結合型糖鎖
糖及び糖鎖の種類:
グルコース、スクロース、デンプン、N-結合型糖鎖​
糖の分子(糖質)は、さまざまな生物学的機能を持つ多種多様な構造を形成します。​

現在、糖鎖はエネルギー源であるだけでなく、生体系において多くの機能も持つことが知られています。一般的に糖鎖は、生体内のタンパク質や脂質に結合した状態(複合体、複合糖質)で見られます。
糖鎖を構成する単糖の組み合わせ、結合位置および分岐のタイプはすべて、これらの「複合糖質」の特性と役割に影響を与えます。

糖鎖構造モデル
糖鎖構造を表す形式として、単糖が異なる形や色で示される記号を用いた表記がよく見られます。

糖鎖によく見られる単糖:グルコース(Glc)、ガラクトース(Gal)、マンノース(Man)、フコース(Fuc)、N-アセチルグルコサミン(GlcNAc)、N-アセチルガラクトサミン(GalNAc)、シアル酸(Neu5Ac)

糖鎖の生物学的重要性に対する私たちの理解はまだ発展途上ですが、研究分野としての「糖鎖工学」は現在、医薬品開発に不可欠な領域となっています。​

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